快削黄銅(C3601、C3602、C3603、C3604)の、JIS規格の成分表です。
合金番号 | 化学成分 % | ||||
Cu | Pb | Fe | Fe+Sn | Zn | |
C3601 | 59.0~63.0 | 1.8~3.7 | 0.30 以下 | 0.50 以下 | 残部 |
C3602 | 0.50 以下 | 1.2 以下 | |||
C3603 | 57.0~61.0 | 0.35 以下 | 0.6 以下 | ||
C3604 | 0.50 以下 | 1.2 以下 |
Cu:銅(ドウ)
Pb:鉛(ナマリ)
Fe:鉄(テツ)
Sn:錫(スズ)
Zn:亜鉛(アエン)
C3602 は銅の含有率が「59.0%~63.0%」と、銅分が多く展性が高い(よく曲がる・伸びる)為に、カシメ材に適しています。
C3604 は銅の含有率が「57.0%~61.0%」ですが、銅分が C3602 と重複している「59.0%~61.0%」の材料は、カシメが可能です。
例えばC3604の中で、各材料メーカではJISの銅分「57.0%~61.0%」の 4% 範囲よりも、きめ細かく銅分を区別して色々な性質を持たせた材料を作っています。
また、C3601・C3603 では C3602・C3604 に比べて不純物(Fe+Sn)が少ないのですが、弊社で使った実績は余りありません。
快削黄銅は切削性を良くする(削り易くする)為に、鉛(Pb)を意図的に添加していますが、JIS規格のC3601~C3604の鉛(Pb)含有率は、1.8%~3.7%でローズ(RoHS)規制の4wt% 未満をクリヤーしています。
カドミウム(Cd)の混入は、電気亜鉛、再生亜鉛、黄銅の切粉、黄銅棒屑に不純物としてカドミウム(Cd)が含まれている為です。
電気亜鉛 20ppm以下 (概ね10ppm前後)
再生亜鉛 1000ppm以下 (概ね100ppm~1000ppmでバラツキ大)
黄銅の切粉、黄銅棒屑 90ppm前後 (バラツキ大)